Project Report
“本づくりのプロ”の
現場から生まれた
遊んで・感じて・考える
体験型イベント
本づくりのプロフェッショナルである広研グループが主催する、親子向け絵本ワークショップ。
折る・綴じる・印刷する・製本する…などの工程を体験できるだけでなく、廃材の活用や企業連携を通じて「モノづくり」「環境」「地域」とつながる。遊んで学べる体験型イベントです。
本づくりの各工程をプロと一緒に疑似体験することで、子どもたちが創造性と実践力を育める学びの場を提供しています。
印刷やデザインに関わるものづくりの現場を開放し、次世代に製造業の魅力や技術を伝える機会を創出しています。
地域企業や住民、親子が交流する場として機能し、誰もが参加できる持続可能な地域づくりに貢献しています。
企業の廃材を活用した製作体験を通じて、資源の再利用やものを大切に使う意識を育てる取り組みを行っています。
多数の協力企業と連携し、企業・地域・個人が協力し合うプラットフォームとして展開しています。
きっかけはある社員のひと言でした。
「うちの会社は“本好き”が多いから、お互いの本を持ち寄るイベントをやってみたいね」。
最初は社内向けの企画として動き始めましたが、進めていくうちに見えてきたのは、[紙の本離れ][製造業の若年人口減少][企業の廃棄物問題]という3つの社会課題でした。
日々、本づくりに関わる私たち広研グループには、“本の魅力を、つくることで伝える”という使命があると考えています。さらに、“モノづくりの楽しさを、本を通して伝える”こともできるはず。さらに、大人だけでなく子どもたちにも伝えたい。
こうした視点から、社内イベントの枠を超え、誰でも自由に参加できる無料のオープンイベントとして「やってみようえほん展」は誕生しました。
本という身近な存在を通して、子どもたちが「つくる楽しさ」や「モノへの関心」に出会えるように──。
そんな想いを込めて、構成されています。
やってみようえほん展では、1枚の大きな紙を折るところから始まり、綴じ、断裁、デザイン、検版、表紙の加工(デコレーション)…と、本づくりを実際の工程近い形で体験できます。
各工程には、断裁機やグラフィックマーカー、フォントなど“プロの現場で使われるもの”も活用。子どもたちは遊びながら、自然と印刷や製本に関する知識・工程に触れることができます。
「間違い探し=検版」「プチプチスタンプ=網点体験」など、遊び心を持ちながらも、本質に近づけるように工夫をこらした仕掛けを盛り込んでいます。
親子で一緒に楽しめることはもちろん、大人も「本づくりってこうなっているんだ」と驚きと発見があるのもこのイベントの特長です。
1枚の大きな紙を折って
綴じ〜断裁はプロの手で
キャラクターの設定を考えて
色を塗ったりフォントを選んだり
間違いがないか校正・検版
自分だけの色の版
表紙は自由にデコって
世界にひとつの絵本が完成!
このプロジェクトは、広研印刷と広報技術研究所が中心となって企画・運営されていますが、その背景には30社以上にのぼる協力企業の支援があります。
提供されるのは、サンプル品、廃盤となった文具、紙や布の端材など。これらをイベント内で「画材」「材料」「装飾パーツ」などとして、子どもたちにとって唯一無二の作品をつくる素敵な素材として活用。
協力企業にとっても、サステナビリティと社会貢献、そして未来世代との接点をつくる機会となっています。
What’s
Next
2023年からスタートし、来場者は累計2,000名を突破(2025年6月現在)。
今後も開催の継続を目指し、自社スペースだけでの実施にとどまらず、豊島区を中心に地域や企業と連携しながら展開を拡大していきます。
やってみようえほん展は、「本づくりのプロ」だからこその視点と、地域・企業・家族を結ぶ新しい場づくりを両立したプロジェクトです。
「あそんで・かんじて・かんえよう」というテーマと、誰かの「やってみよう」に寄り添いながら、“つくることの価値”を未来へつなげていきます。